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マグニチュードって聞いたことある?
いやー、地震って嫌ですよね。ドーンって揺れがきた瞬間、思わず「おぉぉぉ〜」とか叫びたくなることありません?
しかしながら、テレビのニュースをつけると「今の地震はマグニチュード○○でした」なんていう数字がさらっと報じられてるわけですよ。
正直なところ、「え、それ大きいのか小さいのか? 震度とは違うんだろうけど、一体何がどうなってるの?」って混乱しません?
でもマグニチュードって、地球がブンと揺れたときに、いったいどれくらいのエネルギーをぶちまけたかを測るために、とても便利な“指標”なんですね。
地球がくしゃみしたかのようにボコン!とエネルギーを放出するのが地震だとすれば、「そのくしゃみの強さ」を数値化したのがマグニチュード、ぐらいの認識で最初は大丈夫です。
とにかく、地震が起きるとみんな「マグニチュードいくら?」ってやたら聞いてくるじゃないですか。それもそのはず、この数値さえ分かれば、地震自体の“大きさ”のイメージがつかめるからなんですよね。
実は複数あるマグニチュードの種類
でもね、世の中の不思議として「同じ地震なのに、どこの機関が発表するかによってマグニチュードの数値が微妙に違う」というケースがあるんです。
これを初めて知ったときは「はあっ? 数字なんだから一緒じゃないの?」とツッコミたくなるんですが、地震学の世界ではわりと当たり前の話。
というのも、マグニチュードって一口に言っても、昔からいろんな計算方式が開発されてきたんですよ。
一番有名なのはリヒタースケールとか言われるやつですが、ほかにも地震の波形や周期によって「ローカルマグニチュード(ML)」や「表面波マグニチュード(Ms)」、日本特有の「気象庁マグニチュード(Mj)」なんてのもある。
さらに、「いやいや、もっと断層のサイズとかズレ量とかを物理的に計算しようぜ」って生まれたのが「モーメントマグニチュード(Mw)」です。
もう、マグニチュードって奥が深い! これらは根本的な計算方法が違うから、同じ地震でも数値がちょい変わっちゃうことがあるわけですね。
もっとざっくり言うと、「マグニチュードの世界は乱立気味」ってことです。
種類 | 略称 | 特徴 |
---|---|---|
リヒタースケール | – | 最初に広く使われたマグニチュード。地震波の振幅を基に計算。小規模地震には適しているが、大地震では誤差が生じやすい。 |
ローカルマグニチュード | ML | 特定地域での観測に基づくマグニチュード。リヒタースケールを元にしており、主に小規模地震で使用される。 |
表面波マグニチュード | Ms | 表面波(地表を伝わる波)の振幅を基に計算。中規模から大規模な地震の評価に適している。 |
気象庁マグニチュード | Mj | 日本独自の計算方式。地震波の振幅や周期を基に計算し、国内の地震観測に特化している。 |
モーメントマグニチュード | Mw | 断層のサイズやズレ量、岩盤の硬さを元に物理的に計算。大地震の規模を最も正確に表す国際標準の指標。 |
モーメントマグニチュードが偉いワケ
じゃあ、その中でも「モーメントマグニチュード」っていうのがやたら推されてる理由は何かというと、大きな地震ほどこっちのほうが正確に実態を表せるからです。
どういうことかというと、従来のマグニチュードって基本的には地震波の振幅(揺れ幅)をログスケールで計算してるんですけど、大地震になるとデカすぎて誤差が出やすい。
それに、単に揺れ幅を見ているだけじゃ、断層のどのくらいの面積がゴリッとズレているかなんて分からないですしね。
その点、モーメントマグニチュードは「断層が何平方キロメートルくらいずれたか」「どのくらいズレが進んだか」「岩盤の硬さはどの程度か」といった物理的パラメータを総合して「どれだけのエネルギーが解放されたの?」とガチ計算してるわけですよ。
だから、もう“でかい”にもほどがあるようなマグニチュード8とか9クラスの話になると、こっちを使わないと正しい規模が掴みにくいってわけです。
これは科学的にも理にかなっているので、特に国際的には「大きい地震ならまずMwを言おうぜ」みたいな流れになっています。
マグニチュードと地震エネルギーの衝撃的な関係
さて、地震って本当にすさまじいエネルギーを放出しているわけですが、「マグニチュードが1上がるごとに、放出されるエネルギーはおおむね32倍になる」って聞いたことあります?
最初にコレ知ったとき、私は「32倍? 冗談でしょ?」と思いました。
だってマグニチュード5と6って数字上は1の差しかないじゃないですか。それが実はエネルギー的には32倍も違うって、すごいですよね。
もっと怖いのは、マグニチュード5と7を比べると、2の差ですから32×32=1024倍もの開きがあるわけです。
数字にすればたった2の違いなのに、いつの間にか「お隣さんが1024人います」みたいな規模差になるんですよ。
そりゃあ、大きい地震ほど被害もヤバくなるわけだと納得してしまいます。
うっかりすると「マグニチュード6と6.1なら対して変わらないよね?」なんて言いたくなりますけど、実は0.1違うだけでもエネルギーは1.3倍くらい変わるんです。
「なんか、そこ、何倍計算?」って突っ込みたくなりますよね。
地震の世界、ちょっと怖いくらいにスケールがバカでかいということです。
マグニチュード5が広島型原爆の何分の1?
よく言われる話で、マグニチュード5の地震のエネルギーは大体2.2×10^12ジュールくらいだって言うんですね。
ジュールって言われても何のこっちゃなので、「広島型原爆の〇分の1のエネルギー」なんて比喩で聞いたことある方も多いかもしれません。
諸説あるんですけど、「だいたい広島型原爆の5分の1くらい」が目安らしいです。
なんかすごいですよね、地球が鼻息荒くしただけで、それくらいのエネルギーが放たれちゃうこともあるっていう。
ただ、「原子爆弾の何倍」という表現には要注意でもあります。
核爆弾は一瞬でドカンと爆発するのに対して、地震は断層がガガガッと動くのを通してエネルギーを放出していくので、同じジュール数でも爆発の仕方が全然違うんです。
だからといって、地震のエネルギーが小さいとかそういう話ではないんですよ?
むしろ「人間が作る核兵器に匹敵するパワーを地球が普通に出してきちゃう」というところが、ちょっと自然の恐ろしさを感じさせますよね。
各マグニチュードのエネルギーを比べるとびっくり
もう少し具体例を挙げてみると、マグニチュード6の地震は約6.3×10^13ジュール、マグニチュード7になると約2.0×10^15ジュールにもなると言われています。
数字だけ見ても、どんどん桁が増えていくせいで目がチカチカしません? 「2.0×10^15ジュールって何?」って思うかもしれませんが、要は「とんでもなくデカイ」ってことで、いちいち考えたら頭がおかしくなりそうですよね。
しかも、これはあくまで平均的な換算に基づいた概算ですから、地震によってはもうちょっと多い場合もあれば、やや少なめのものもあったり。
こういう「だいたいこれくらい」という計算でも、充分に「地震ってケタ違いなんだなあ」と理解するには十分すぎるインパクトがあります。
実際、マグニチュード7クラスの地震になると、大人でも本気で「こりゃヤバい」と思うくらいの揺れがきますし、広範囲にわたって影響を及ぼす可能性が高い。
科学的にも、そりゃあ断層がバリバリ割れてるわけですから、そのエネルギーが尋常じゃないわけです。
地震の深さや場所との関係は?
ところで、「マグニチュードが5だから安心」とか「マグニチュードが7だから絶対危険!」って単純に判断するのは難しい話なんですよ。
地震の“深さ”や“場所”、さらに言うと地盤の性質なんかによって、揺れの感じ方は大きく変わります。
震源が浅くて真下の断層がビシッと割れた場合は、マグニチュードこそ5でも局所的にかなり強烈な揺れになることだってあるんです。
一方で、深いところで起きたマグニチュード7の地震が、案外地表ではそこまで被害をもたらさないケースもあります。
だからこそ、ニュースのアナウンサーが「マグニチュードはいくら」と同時に「震源の深さは何キロ」「この地震は横ずれ断層なのか縦ずれ断層なのか」なんてことを伝えてくれたりするわけですね。
マグニチュードはあくまで“地震そのものの規模”を示す数値なので、それだけ見て「おっ、ヤバいかも!」と感じるのは自然だけど、最終的に揺れ具合はまた別の話ってわけです。
計算式は複雑だけど、とりあえず雰囲気を
じゃあ実際、マグニチュードってどう計算してるのか?
ここは、ぶっちゃけ専門家でもない限り、詳しく知る必要はないかもしれませんが、「気象庁マグニチュード」や「モーメントマグニチュード」など、それぞれの数値を決めるときは、地震波の振幅や周期をログ(対数)で扱ったり、断層面積とズレ量を掛け合わせたりと、結構ややこしい式を使います。
特に、モーメントマグニチュード(Mw)の計算式なんかは「Mw = (2/3)*log10(M0) – 6.0」とか書かれたりしますが、M0は断層の面積×ずれ量×岩盤の硬さみたいなパラメータでして、学生時代に理系科目が苦手だった人は「はいダメー!」って感じですよね。
でも大丈夫。ざっくり言えば「どのくらい断層がムリっと動いて、どのくらい硬い岩盤をコジ開けたの?」という物理量なんです。
だから地震の規模が大きいほど、この値(モーメント)も桁違いにデカくなるので、「あ、こりゃ相当なエネルギーだな」となってマグニチュードの数字もゴンと上がるイメージです。
モーメントマグニチュード(Mw)の計算式
以下は、モーメントマグニチュードを計算するための式です:
$$Mw = \frac{2}{3} \log_{10}(M_0) – 6.0$$
地震モーメント(\(M_0\))の計算式
$$M_0 = \mu \cdot A \cdot D$$
- \(\mu\): 岩盤の剛性(通常約30 GPa = \(30 \times 10^9 \, \text{Pa}\))
- \(A\): 断層面積(平方メートル [m²])
- \(D\): 断層のずれ量(メートル [m])
具体例
次の条件で地震モーメントを計算します:
- \(\mu = 30 \times 10^9 \, \text{Pa}\)
- \(A = 100 \, \text{km}^2 = 100 \times 10^6 \, \text{m}^2\)
- \(D = 2 \, \text{m}\)
$$M_0 = 30 \times 10^9 \cdot (100 \times 10^6) \cdot 2 = 6 \times 10^{17} \, \text{N} \cdot \text{m}$$
これを使ってモーメントマグニチュードを計算します:
$$Mw = \frac{2}{3} \log_{10}(6 \times 10^{17}) – 6.0 \approx 7.0$$
数値が修正されることは普通
おっと、そういえば地震速報を見ていると、最初に「マグニチュード6.8」と発表されたのに、後から「いや、実は7.0でした」みたいに修正されることがあります。
これは「最初の発表が間違ってた」ってわけじゃなくて、地震ってリアルタイムで観測されるデータが大量に飛び交うから、最初の段階では簡易計算で出してるんです。
で、あとから詳細な解析をして「おっと、もうちょい大きかったわ」とか「やっぱりもう少し小さかったね」ってことが分かるんです。
まあ、そりゃあダイナミックに断層が動いている最中のデータを瞬間的に読み取って、正確に数値化するのは至難の業ですよね。
ちょっとでも条件が変われば結果は違ってくるし、測定機器の精度や配置にも依存します。だから僕らからすれば「あ、ちょっと修正きた」と受け止めるだけでいいんじゃないでしょうか。
「テレビが間違ってた!」なんて目くじら立てる必要はないわけです。
結局、マグニチュードってなんなのさ
要するに、マグニチュードっていうのは「地震のエネルギー規模を表す数値」だと思ってもらえればOKです。
そこには歴史的な経緯があって、いろんなスケールが乱立しちゃっているし、巨大地震を正しく評価するにはモーメントマグニチュードがいいよねって話になってる。
さらに、数字が1上がるだけでエネルギーは約32倍とか、もうギャグみたいな世界だし、だからって揺れ方や被害具合はマグニチュードだけじゃ分からないという、何とも歯がゆい感じでもあります。
けれども、その指標があるおかげで「どれくらいの大きさの地震だったのか」がすぐにイメージしやすいのも事実でしょう。
たとえば、「マグニチュード6」と聞くと「うわ、そこそこヤバいぞ」と思うし、「マグニチュード7」だと「マジで!? 超ヤバいじゃん!」って感じになりますよね。
その違いがどこから来るかといえば、先ほど言った32倍ルールによって、もうエネルギーが桁違いだからです。
こうした仕組みをちょっとでも頭に入れておくと、報道を見たときに「ああ、いま発表されてるのはモーメントマグニチュードかな? それとも気象庁マグニチュード?」なんて興味も出てくる。
地震が頻発する国に住んでいる以上、マグニチュードって言葉と一生お付き合いするかもしれないですから、ちょびっとだけでも背景を知っておくと、少し世界が広がるかもしれませんよ。
以上、「地震のマグニチュードって何だ?」を解説してみました。
これを読んでくださった方が、次に地震のニュースを聞いたときに「お、またマグニチュードの修正入ったか。まああるあるだよね」なんてほほ笑みを浮かべながら思えるようになったら、嬉しい限りです。
数字だけ見ると味気ないかもしれませんが、実はものすごーくダイナミックな地球の営みを人間が必死に数字化してるって考えると、ちょっと感慨深くありません?
自然のパワーのデカさを知るだけでも、なんだかワクワクしちゃうものです。
ぜひ、これからもマグニチュードの話題が出たときは、「へえー、そういうことなのか」と聞いてみてくださいね。
<下記動画では分かりやすく簡単に説明しています♪>
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