駿河トラフは日本列島の東海地域を含む広範囲に影響を与える地震のリスクを抱えています。
今回は、駿河トラフでマグニチュード9の巨大地震が発生した場合に、静岡県だけでなく、神奈川県、東京都を含む関東圏や名古屋市を含む中京圏に及ぶ被害予測とその影響について見ていきます。
この地域には多くの人口が集中しており、経済活動も盛んなため、被害が発生した場合の影響は計り知れません。
CONTENTS
駿河トラフとは
駿河トラフの地理的概要
駿河トラフは、静岡県の沖合に位置し、フィリピン海プレートとユーラシアプレートの境界に位置する海溝です。
この地域は、プレートの沈み込みが進行中で、地殻変動が非常に活発です。
駿河トラフでの地震活動は、過去の大地震の歴史からも見て取れるように、日本列島全体に影響を及ぼすことがあります。
静岡県沖から関東地方にかけては、プレート境界での歪みが大きく、いつ大規模な地震が発生してもおかしくない状況です。
過去の地震の記録と歴史
駿河トラフに関連する大地震の一例として、1854年の「安政東海地震」が挙げられます。
この地震は東海地方一帯に大きな被害をもたらし、津波による影響が広範囲に及びました。
1923年の「関東大震災」も駿河トラフと関連があり、関東地方に甚大な被害を与えました。
これらの歴史的な地震は、駿河トラフでの地震活動が広範囲に影響を及ぼす可能性を示しています。
さらに、1707年の「宝永地震」も駿河トラフを震源とする大地震であり、静岡県から神奈川県にかけての沿岸部で大きな被害が確認されています。
想定される地震の規模と影響
予想される駿河トラフでの巨大地震はマグニチュード9に達する可能性があり、この規模の地震は東海地方のみならず関東地方、中京圏にも深刻な影響を与えることが懸念されています。
地震による大規模な揺れと津波の発生に加え、二次的な災害として土砂災害や火災のリスクも高まります。
都市部ではビルの倒壊や火災の発生が懸念されており、交通機関の麻痺やライフラインの途絶など、社会機能の広範な停止が予想されます。
地震の仮定震源域と震度予測
仮定震源域の位置と概要
今回、駿河トラフの想定震源域を、座標34.75°N, 138.45°E付近、つまり静岡県沖に仮定しています。
震源域はフィリピン海プレートとユーラシアプレートの境界に沿った広範囲で、プレートの境界面の滑りが大地震を引き起こす要因とされています。
具体的には、静岡県沖から南西方向に広がるエリアで、長さ約300km、幅約150kmにわたる範囲が震源域として仮定されています。
この範囲では、プレートの境界面に蓄積された歪みが限界に達した際、大規模な地震が発生すると考えられています。
各地の震度予測
駿河トラフでの地震が発生した場合、広範囲で強い揺れが予測されます。
具体的には、以下の地域で震度が予測されています。
- 静岡市:震度7
- 横浜市:震度6強
- 東京都心:震度6強
- 名古屋市:震度6弱
- 川崎市:震度6強
- 相模原市:震度6強
もちろん、その他の地域でも、震度5以上、6強を観測する地域はでてきますが、これらの地域では、建物の倒壊やインフラの破壊が懸念され、古い建物や耐震補強が行われていない建物での被害が予測されます。
震度7が予測される静岡市では、古い住宅地での被害が懸念されます。
震度6強が予測される横浜市や東京都心でも、ビルの倒壊や交通機関の停止が予想され、多くの人々に影響を与えるでしょう。
名古屋市でも、震度6弱の揺れにより、商業施設や工業地帯での被害が予測されており、経済活動に深刻な影響を与える可能性があります。
津波の発生と影響
津波の発生メカニズム
駿河トラフでの巨大地震により、津波の発生は避けられません。
地震によって海底の地形が急激に変動することで、海水が押し出されて津波が発生します。
この津波は震源から広がり、沿岸部に到達することで大きな被害をもたらします。
駿河湾や伊勢湾、相模湾など、湾岸地域での津波の影響が懸念されます。
津波の波高は地震の規模や海底の地形によって異なりますが、最大級の津波が発生する可能性が高いです。
各地の津波予測遡上高
津波の予測遡上高は地域ごとに異なりますが、沿岸部では高い波が予測されています。
以下は、主な地域での津波予測高です。
- 静岡市:最大20m
- 焼津市:最大15m
- 伊豆半島南部:最大15m
- 浜松市:最大12m
- 沼津市:最大12m
- 神奈川県湘南地域:最大10m
- 伊勢湾沿岸(名古屋市港区、四日市市):最大15m
- 東京都心湾岸エリア:最大5m
これにより、沿岸部の都市や住宅地、工業地帯が浸水するリスクが高まります。
具体的には、静岡市の清水区、駿河区や焼津市、浜松市の沿岸部が危険とされており、津波による甚大な被害が予想されます。
神奈川県湘南地域では、津波による被害が懸念されています。
江ノ島周辺では、観光地としてのインフラが影響を受ける可能性があります。
東京都心の湾岸エリアでも、津波の影響により地下施設の浸水が予測されており、都市機能の麻痺が懸念されます。
地震による具体的な被害予測
建物の倒壊と火災リスク
駿河トラフでの巨大地震は、建物に深刻な影響を与えることが予想されます。
古い建物や耐震補強が不十分な建物は、倒壊のリスクが高まります。
以下の地域では、建物倒壊のリスクが高まると考えられます。
- 静岡市:震度7の揺れにより、木造住宅の倒壊が懸念される。
- 横浜市:高層ビルの揺れによる窓ガラスの破損や家具の転倒が予想される。
- 東京都心:古いオフィスビルや商業施設での倒壊リスクが高まる。
- 名古屋市:工業地帯での工場施設の損壊や火災の発生リスクがある。
地震による揺れでガス管が破裂し、火災が発生するリスクも増大します。
住宅地や工業地帯では火災が発生する可能性があり、火の手が広がることでさらなる被害が予想されます。
火災が発生した場合、消火活動が難航することも予測され、被害が拡大するリスクが高いです。
名古屋市の工業地帯や横浜市の港湾エリアでは、工場火災による大規模な被害が懸念されています。
インフラへの影響
巨大地震が発生すると、交通インフラにも大きな被害が予測されます。
道路や橋梁の崩壊により、交通網が寸断される可能性があります。
以下の主要な交通インフラが被害を受ける可能性があります。
- 東海道新幹線:停電や線路の損傷により、広範囲で運休が予想される。
- 東名高速道路:橋梁の損壊や地盤沈下により、一部区間で通行止めになる可能性がある。
- 首都高速道路:湾岸エリアでの津波による浸水や、高架橋の崩壊が懸念される。
電力供給の停止も大きな問題となります。
送電線の断線や発電所の停止により、広範囲で停電が発生し、生活や経済活動に大きな影響を与えるでしょう。
東京電力管内では、首都圏全域での大規模停電が発生するリスクがあり、ライフラインの確保が急務となります。
さらに、水道やガスの供給が途絶えることで、日常生活に深刻な影響が及ぶことが懸念されます。
水道管の破損による断水や、ガス管の破裂による供給停止が広範囲で発生する可能性があります。
物流と経済活動への影響
地震の影響は、物流にも深刻な打撃を与える可能性があります。
港湾施設や物流センターが被害を受けることで、物資の供給が滞るリスクが高まります。
以下の主要港湾が被害を受ける可能性があります。
- 東京港:津波や地盤沈下による施設の損壊が予想される。
- 名古屋港:地震による液状化現象や、施設の浸水が懸念される。
- 横浜港:港湾設備の破壊や、輸出入業務の停止が考えられる。
これにより、食品や医薬品などの生活必需品が不足する可能性があり、被災地での生活が困難になることが予測されます。
地震による被害は、主要産業にも影響を及ぼします。
製造業やサービス業、観光業などの産業活動が停止することで、経済全体に悪影響が及ぶことが懸念されます。
静岡県で安全な地域の特定
津波や地震の被害を考慮して、比較的安全とされる地域を選ぶ際には、海抜50m以上の高地は津波のリスクが低く、避難先として推奨されます。
以下は、比較的安全とされる地域のリストです。
静岡市
- 静岡市葵区の山間部
静岡市の中心部から北にある葵区の山間部は標高が高く、津波の影響を受けにくい地域です。
大日峠や梅ヶ島温泉などは標高が高く、津波の心配が少ないです。
この地域は地盤が比較的安定しており、地震の揺れによる被害も軽減される可能性があります。
沼津市
- 愛鷹山周辺
沼津市の西側に位置する愛鷹山周辺の地域は標高が高く、津波の影響を受けにくいです。
愛鷹山の中腹や高原地帯は、海から距離があり、津波からの避難に適しています。
愛鷹山の地域は地質的にも比較的安定していると考えられます。
富士市
- 富士市南部の台地
富士市の南部にはいくつかの台地があり、標高が高いため津波の影響を受けにくいです。
大淵地区や富士南高校周辺の地域は、海岸から距離があり、浸水のリスクが低いと考えられます。
地盤が安定しているため、地震の影響も比較的少ないでしょう。
伊豆半島
- 伊豆高原
伊豆半島東部の伊豆高原は標高が比較的高く、津波のリスクが低い地域です。
この地域は観光地としても知られており、避難場所としてのインフラも整備されていることが多いです。
地盤も比較的安定しており、地震の揺れによる影響も軽減されるでしょう。
関東圏や中京圏内の安全な地域
静岡県と同様に、海抜50メートル以上となると、リスクも少なくなります。
以下は、比較的安全とされる地域のリストです。
- 神奈川県
相模原市(海抜50m以上)
横須賀市の高地(海抜100m以上) - 東京都
多摩地域(海抜100m以上)
青梅市(海抜200m以上) - 愛知県
瀬戸市(海抜100m以上)
小牧市(海抜50m以上)
周辺地域の避難先と安全確保
関東圏や中京圏外への避難も検討する必要があります。
山梨県や長野県は地震や津波の影響を受けにくい地域として知られており、避難先として適しています。
以下の地域が避難先として考えられます。
- 山梨県
甲府市(海抜250m以上)
富士吉田市(海抜800m以上) - 長野県
松本市(海抜600m以上)
長野市(海抜300m以上)
これらの地域には避難施設や宿泊施設が整備されており、避難者を受け入れる体制が整っています。
まとめ
もし、駿河トラフで巨大地震が発生した場合は、関東圏や中京圏を含む広範囲に甚大な被害をもたらす可能性が高いです。
地震による強い揺れや津波の発生、建物の倒壊や火災、インフラの破壊など、多方面での被害が予想され、都市部ではライフラインの途絶や物流の停滞が予想され、経済活動への影響も大きいでしょう。
相模原市や多摩地域のような高地や、山梨県・長野県などの内陸部への避難も良いと思います。
日頃からの防災意識を高めることが重要であり、地震発生時に冷静で、適切な対応を取ることで被害を最小限に抑えることが重要です。
「その日」は、突然やってきますので・・・・
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