たつき諒さんの言う、2025年7月5日に地震が起きて津波が発生するとすればどこなんでしょうか?
東日本大震災の最大津波が、宮城県女川漁港で14.8mといいますから、その3倍、約45mの津波が襲ってくることになります。
最大45mもの巨大津波が日本列島を襲うとされていますが、果たしてこれは科学的に可能なのでしょうか。
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過去の地震データから見る巨大地震の可能性
2000年から2023年にかけて、日本近海からフィリピン近海で発生したM7クラスの地震を振り返ると、その頻度と被害は無視できないものがあります。
これらの地震の中には、甚大な被害をもたらしたものも少なくありません。
これらの地震のデータを表にまとめ、地域などをマッピングしてみました。
発生日時 | 地震の規模 | 震源地 | 震源の深さ | 被害を受けた場所 | 被害状況 |
---|---|---|---|---|---|
2000年10月6日 | M7.3 | 鳥取県西部 | 9km | 鳥取県 | 約130人が負傷し、家屋の全壊や半壊が多数発生。 |
2001年3月24日 | M6.7 | 広島県芸予諸島 | 50km | 広島県、愛媛県 | 2人が死亡し、約300人が負傷。家屋の被害や停電が広範囲に及んだ。 |
2002年3月5日 | M7.5 | パラワン島南方沖 | 33km | パラワン島 | 小規模な津波が発生したが、大きな被害の報告はなし。 |
2003年3月6日 | M7.6 | ミンダナオ島南部沖 | 30km | ミンダナオ島南部 | 数人の負傷者が出たが、大きな被害は報告されなかった。 |
2003年5月26日 | M7.0 | 宮城県北部 | 12km | 宮城県 | 約100人が負傷し、家屋の倒壊や土砂崩れが発生。 |
2003年9月26日 | M8.0 | 十勝沖 | 42km | 北海道 | 41人が重軽傷を負い、家屋の全壊が数十棟にのぼった。津波も発生。 |
2004年10月23日 | M6.8 | 新潟県中越地方 | 13km | 新潟県 | 68人が死亡し、約4,800人が負傷。家屋の全壊は3,000棟以上。 |
2005年3月20日 | M7.0 | 福岡県西方沖 | 9km | 福岡県、佐賀県 | 1人が死亡し、約1,000人が負傷。家屋の倒壊やインフラの被害。 |
2006年7月24日 | M7.0 | レイテ島沖 | 30km | レイテ島、サマール島 | 家屋の被害が多数報告され、数人が負傷。津波の心配があったが、実際の津波被害は限定的。 |
2007年3月25日 | M6.9 | 能登半島沖 | 11km | 石川県 | 1人が死亡し、約300人が負傷。家屋の全壊や半壊が多発。 |
2007年7月16日 | M6.8 | 新潟県中越沖 | 17km | 新潟県 | 15人が死亡し、約2,300人が負傷。家屋の全壊は約1,200棟。 |
2007年8月20日 | M7.5 | ミンダナオ島沖 | 35km | ミンダナオ島全域 | 家屋の倒壊やインフラの損傷が報告され、数十人が負傷。 |
2008年6月14日 | M7.2 | 岩手県南部 | 8km | 岩手県、宮城県 | 17人が死亡し、約350人が負傷。土砂崩れや家屋の倒壊が広範囲で発生。 |
2009年10月30日 | M7.2 | サマール島沖 | 15km | サマール島 | 家屋の倒壊が発生し、数人が負傷。 |
2010年7月23日 | M7.6 | ミンダナオ島沖 | 620km | ミンダナオ島 | 深発地震のため、地表での被害は限定的。津波の心配があったが、大きな被害は報告されなかった。 |
2011年3月11日 | M9.1 | 三陸沖 | 24km | 東北地方、関東地方 | 約15,897人が死亡し、2,527人が行方不明。津波による被害が甚大で、家屋の全壊が12万棟以上。原子力発電所の事故も発生。 |
2012年2月6日 | M6.7 | ネグロス島近海 | 10km | ネグロス島、セブ島 | 約113人が死亡し、数百人が負傷。多くの家屋が倒壊し、インフラにも被害が及んだ。 |
2013年10月15日 | M7.2 | ボホール島 | 12km | ボホール島、セブ島 | 約222人が死亡し、数百人が負傷。多くの家屋が倒壊し、歴史的建造物にも被害が発生。 |
2016年4月14日 | M6.2 | 熊本県 | 約10km | 熊本県、大分県 | 50人以上が死亡し、約3,000人が負傷。家屋の全壊は約8,000棟。 |
2016年8月31日 | M7.1 | サマール島沖 | 10km | サマール島、レイテ島 | 数十人が負傷し、家屋の倒壊が報告されたが、津波による大きな被害は避けられた。 |
2017年4月28日 | M7.2 | ミンダナオ島沖 | 40km | ミンダナオ島 | 数十人が負傷し、家屋の倒壊やインフラの被害が報告された。 |
2019年10月16日 | M6.3 | ミンダナオ島 | 15km | ミンダナオ島全域 | 数十人が負傷し、家屋の倒壊やインフラの被害が広範囲にわたった。 |
2020年1月12日 | M7.0 | ミンダナオ島沖 | 65km | ミンダナオ島全域 | 数十人が負傷し、家屋の倒壊やインフラの被害が報告された。 |
2021年2月13日 | M7.1 | 福島県沖 | 60km | 福島県、宮城県 | 150人以上が負傷し、家屋の被害や停電が発生。津波警報が発令されたが、津波による大きな被害は回避された。 |
2021年8月12日 | M7.1 | ミンダナオ島南部 | 45km | ミンダナオ島全域 | 数十人が負傷し、家屋の倒壊や土砂崩れが発生。津波警報が発令されたが、大きな津波被害はなかった。 |
2022年7月27日 | M7.0 | ルソン島北部 | 10km | ルソン島全域 | 数十人が負傷し、建物の倒壊や土砂崩れが発生。 |
2023年4月4日 | M7.0 | ルソン島北部 | 10km | ルソン島全域 | 数十人が負傷し、建物の倒壊や土砂崩れが発生。 |
2023年5月5日 | M6.5 | 石川県能登半島沖 | 15km | 石川県 | 数十人が負傷し、家屋の倒壊や土砂崩れが発生。 |
具体的には、2011年3月11日に発生した東日本大震災が最も顕著な例です。
この地震は、マグニチュード9.0という日本観測史上最大規模を記録し、最大波高14.8mの津波を引き起こしました。
また、2004年12月26日にインドネシア・スマトラ島沖で発生したマグニチュード9.1の地震も、インド洋沿岸諸国に甚大な被害をもたらしました。
この地震による津波の最大波高は30mを超え、約23万人もの犠牲者を出しています。
これらの過去の事例から、マグニチュード9クラスの巨大地震が発生する可能性は否定できません。
しかし、45mという予知された津波の高さは、これまでの観測記録を大きく上回るものです。
そのため、単純な地震のみでこのような巨大津波が発生する可能性は極めて低いと考えられます。
地震の規模と津波の高さには一定の相関関係がありますが、それ以外の要因も津波の規模に大きく影響します。
例えば、震源の深さ、地震の発生メカニズム、海底地形などが挙げられます。
これらの要因を総合的に考慮すると、45mの津波を引き起こすためには、これまでに観測されたことのない規模の地殻変動や海底地形の変化が必要となります。
地震発生の可能性が高い地域
地震学的な観点から、マグニチュード7以上の大規模地震が発生する可能性が高い地域としては、主に以下の場所が挙げられます。
- 南海トラフ
四国から紀伊半島、静岡県沿岸にかけて続く海底の溝状地形です。ここでは、フィリピン海プレートが日本列島側のプレートの下に沈み込んでおり、大規模地震の発生が懸念されています。 - 日本海溝
東日本の太平洋沖に位置し、2011年の東日本大震災の震源域となった場所です。太平洋プレートが北米プレートの下に沈み込む境界に当たります。 - フィリピン海溝
フィリピン諸島の東側に位置し、フィリピン海プレートとユーラシアプレートの境界部分です。この地域でも大規模地震の発生リスクが指摘されています。 - マリアナ海溝
世界最深の海溝として知られ、太平洋プレートがフィリピン海プレートの下に沈み込む場所です。
これらの地域では、プレート境界における歪みの蓄積が進んでおり、大規模地震が発生する可能性が高いとされています。
しかし、これらの地域で発生する地震だけでは、45mもの巨大津波を引き起こすことは考えにくいです。
地震の規模と津波の高さの関係は複雑で、単純に地震の規模が大きければ津波も大きくなるというわけではありません。
例えば、2004年のスマトラ島沖地震(M9.1)では最大30mを超える津波が発生しましたが、2011年の東日本大震災(M9.0)では最大波高が約15mでした。
この違いは、地震の発生メカニズム、震源の深さ、海底地形などの要因が関係しています。
45mの津波を引き起こすためには、これらの要因が極めて特殊な条件で重なる必要があり、その可能性は非常に低いと言えます。
海底火山噴火による巨大津波の可能性
地震以外に45mの津波を引き起こす可能性がある現象として、海底火山の大規模噴火が考えられます。
海底火山が噴火すると、大量の火山性物質が海中に放出され、海水の大規模な移動を引き起こす可能性があります。
また、噴火に伴う海底地形の急激な変化も、大規模な津波を引き起こす要因となり得ます。
日本周辺で注目すべき海底火山としては、以下のようなものがあります。
- 硫黄島
小笠原諸島に位置する活火山島で、頻繁に火山活動が観測されています。 - 南日吉海山
フィリピン海プレート上にある海底火山で、過去に大規模な噴火の痕跡が確認されています。 - アヒー火山
北マリアナ諸島に位置する大規模な円錐状の海底火山で、2023年に噴火活動が確認されました。
これらの海底火山が大規模に噴火した場合、周辺海域に影響を及ぼす可能性はあります。
しかし、通常の海底火山噴火で発生する津波の高さは、数メートルから数十メートル程度にとどまることが多いです。
例えば、1883年のクラカトア火山の大規模噴火では、最大40mの津波が発生しました。
この噴火は歴史上最大級のものとされていますが、それでも45mには及びません。
さらに、クラカトア火山は陸上にあり、海底火山とは条件が異なります。
海底火山の噴火によって新しい島が形成されることもありますが、数千メートルもの隆起が起こることは現在の科学的知見では考えにくいです。
そのため、海底火山の噴火のみで45mの津波が発生する可能性は極めて低いと言えます。
スーパー火山噴火の可能性と影響
45mの巨大津波を引き起こす可能性のある極端な事象として、スーパー火山の噴火が挙げられます。
スーパー火山とは、噴火の規模が通常の火山を遥かに上回る巨大カルデラ火山のことを指します。
世界的に有名なスーパー火山には以下のようなものがあります
- イエローストーン・カルデラ(アメリカ)
- トバ・カルデラ(インドネシア)
- カンピ・フレグレイ(イタリア)
日本国内では、鹿児島県の姶良カルデラがスーパー火山に分類されています。
姶良カルデラは直径約20km、面積約220平方kmの巨大な火山性陥没地形で、その中心に位置する主要な活火山が桜島です。
スーパー火山の噴火は、地球規模の気候変動を引き起こすほどの破壊力を持っています。
例えば、約7万4000年前に起きたトバ・カルデラの大規模噴火は、地球全体の平均気温を数度低下させ、長期にわたる「火山の冬」をもたらしたとされています。
しかし、スーパー火山の噴火が直接的に45mもの巨大津波を引き起こす可能性は低いと考えられています。
桜島が大規模な山体崩壊を伴う爆発的噴火を起こしたとしても、その影響が太平洋沿岸部に及ぶほどの巨大津波を引き起こす可能性は極めて低いです。
スーパー火山の噴火による主な脅威は、以下のようなものです
- 火山灰や溶岩による直接的な被害
- 火山ガスの放出による大気汚染
- 長期的な気候変動
- 農作物への影響や食糧危機
- 社会インフラの崩壊
これらの影響は極めて深刻ですが、45mの津波を直接的に引き起こす要因とはなりにくいです。
スーパー火山の噴火は、地球規模での環境変動や社会システムの崩壊をもたらす可能性がありますが、巨大津波の発生とは別の問題として捉える必要があります。
南海トラフ大地震の脅威と実態
日本で最も警戒されている大規模地震の一つが、南海トラフ大地震です。
南海トラフは、駿河湾から日向灘に至る海底の溝状地形で、フィリピン海プレートがユーラシアプレートの下に沈み込む場所です。
この地域では、過去に繰り返し大規模地震が発生しており、今後30年以内に70~80%の確率で発生すると予測されています。
南海トラフ大地震の特徴
- 想定される規模:マグニチュード8~9
- 震源域:東海、東南海、南海の3つのセグメントにわたる広範囲
- 影響地域:東海地方から九州にかけての太平洋沿岸部
- 主な被害:強い揺れ、巨大津波、長期的な地盤沈下
南海トラフ大地震で想定される最大津波高は、地域によって異なりますが、多くの場所で10m以上、局所的には20mを超える可能性があるとされています。
しかし、45mの津波は現在の科学的知見では想定されていません。
過去の南海トラフ地震の事例
- 1707年 宝永地震(M8.6):最大津波高約10m
- 1854年 安政東海地震(M8.4):最大津波高約10m
- 1944年 昭和東南海地震(M7.9):最大津波高約8m
- 1946年 昭和南海地震(M8.0):最大津波高約6m
これらの過去の事例を見ても、45mの津波は記録されていません。
しかし、南海トラフ大地震が発生した場合、その被害は甚大なものになると予想されています。
想定される被害
- 死者数:最大約32万人
- 全壊・焼失建物数:最大約238万棟
- 経済被害:最大約220兆円
これらの数字は、最悪のシナリオを想定したものです。実際の被害は、地震の規模や発生時刻、防災対策の進捗状況などによって大きく変わってきます。
45m津波の科学的可能性と予知の解釈
これまでの検証から、地震や火山噴火といった単一の自然現象によって45mの巨大津波が発生する可能性は極めて低いことがわかりました。
しかし、自然現象は複雑で予測困難な面もあり、過去に「考えられなかった」事象が実際に起こったこともあります。
たつき諒さんの予知では「日本列島の南に位置する太平洋の水が盛り上がる」という表現が使われています。
これを科学的に解釈すると、以下のような可能性が考えられます
- 海底地形の大規模な変動
- 海洋プレートの急激な隆起
- 深海での大規模な熱水活動
- 未知の海底火山の噴火
これらの現象は、通常の地震や火山活動とは異なるメカニズムで発生する可能性があります。
しかし、現在の科学技術では、このような極端な事象を正確に予測することは困難です。
予知や予知夢は、科学的な根拠に基づくものではありません。
しかし、時として予知が人々の注目を集め、防災意識を高める契機となることもあります。
まとめ
2025年7月5日に、地震によって45mの巨大津波が日本を襲うというシナリオは、現在の科学的知見からは可能性が極めて低いと言えます。
45mの津波は現実的ではありませんが、自然の力は時として私たちの想像を超えます。
たつき諒さんの「私が見た未来」でも、「日本列島の南に位置する太平洋の水が盛り上がる」という予知夢が描かれています。
これは単なる地震だけでは説明できない現象を示唆しているのかもしれません。
しかし、この予知を契機に防災について考えることは非常に重要だと考えます。
2025年7月5日は「抗おう!!」
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