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2025年7月5日予知とは無関係 隕石落下での津波リスク論文の解説

2025年7月5日は、たつき諒氏の予知や、保江邦夫氏の予測などで、地球規模の「大災害」が起こると言われています。

今回は、もし、隕石が落下した場合の津波リスクを発表している論文がありましたので、それを要約して解説いたします。

最初にお断りしておきますが、この論文は、2025年の予知とはまったく関係はありません。

この論文は、海洋への隕石落下による津波リスクに関する研究と評価について述べています。

2013年のロシアでの隕石落下事件を引き合いに出し、隕石衝突が稀ではあるが重大な災害をもたらす可能性を指摘しています。

地球表面の約3分の2が海洋であることから、多くの隕石衝突は海洋で発生すると予想されます。

Earth Impact Databaseより

繰り返しますが、この論文は、2025年の予知とはまったく関係ないということをご承知下さい。

海洋への隕石落下に伴う津波リスク評価

この論文は日本惑星科学会の「特集『チェリャビンスクイベントと天体衝突リスク』
海洋への隕石落下に伴う津波リスク評価」2013年9月14日受領,2013年11月6日受理.
の論文を要約したものです。

論文につきましては、下記リンクをご参照下さい。

海洋への隕石落下に伴う津波リスク評価

また「日本惑星科学会」につきましては、下記リンクをご参照下さい。

日本惑星科学会

1. はじめに

2013年2月15日にロシアのウラル地方で発生した隕石落下により、チェリャビンスク市で多くの被害が発生しました。

この出来事は、隕石の落下が非常にまれな現象でありながらも、大きな災害を引き起こす可能性があることを示しています。

特に、隕石が地表に到達する規模で落下した場合、その被害は甚大になることが容易に想像できます。

地球の約3分の2は海洋で覆われており、多くの隕石衝突は海洋で発生すると考えられます。しかし、海洋での衝突クレーターの発見は困難であり、多くが見つかっていません。その理由として、海底プレートの動きや探査の難しさが挙げられます。

2. 衝突津波の過去の研究

衝突津波に関する研究は、主に以下の3つに分類されます

  • 地質時代に起きた衝突津波

    約6600万年前のチチュルブ衝突(メキシコ・ユカタン半島)では、津波の最大波高が約300メートルに達したと推定されています。

    約215万年前に発生したエルタニン衝突では、津波がチリ沿岸部に到達した際に100メートルを超える波高に達したと考えられています 。
  • 将来の衝突を想定した研究

    小惑星1950DA(直径1.1キロメートル)が大西洋に衝突した場合、アメリカ東海岸に100メートルを超える津波が押し寄せる可能性があるとされています。
  1. 津波リスク評価

    衝突津波のリスクを確率的に評価し、世界の大都市に今後1000年以内に来襲しうる津波の波高とその確率を推定する研究が行われています。

3. 衝突津波の発生頻度

地球への天体衝突頻度についての研究によれば、直径10メートル、100メートル、500メートルの天体が地球に衝突する頻度は、それぞれ約10年、6000年、14万年に一度とされています。

しかし、こうした頻度分布は小惑星帯の小惑星のサイズ分布や月面のクレーターのサイズ分布から推定されており、実際には大気圏で分裂するため、海面に衝突するサイズは小さくなります。

4. 衝突津波リスク評価の必要性

衝突津波の発生頻度は低いものの、現実的な災害リスクとして認識する必要があります。

例えば、2011年の東北地方太平洋沖地震津波は1000年に一度程度の低頻度災害でしたが、大きな被害をもたらしました 。

また、衝突津波の伝播や遡上計算がほとんど行われていないため、技術の進展が必要です。

5. 日本を対象とした衝突津波の伝播計算

実際にどの程度の津波が日本沿岸に到達するかを予測するため、津波の伝播計算を行いました。

直径10メートルの天体が水深210メートル、500メートル、1000メートル、5000メートルの海洋に衝突した場合、津波の最大水位分布を計算しました。

その結果、水深500メートルに衝突した場合の津波が最も高いことがわかりました。

6. まとめ

衝突津波の発生頻度は低いものの、現実的な災害リスクとして認識する必要があります。

津波のリスクは確率的に評価が可能であり、データベース化することも可能です。

今後の課題としては、クレーターが海洋底に形成されうる規模や水深での衝突津波の計算を行う必要があります。

まとめとしての私見

最初のお断りのように、2025年に起こると言われている予知とはまったく関係はありませんが、隕石が衝突した場合のリスクは学術的にいえば、こういった内容になります。

どうでしょう、判りやすくなっていますでしょうか?

隕石が海洋に落下することで発生する津波のリスクを評価することは、将来の災害対策にとっても重要です。

地球史を通じて隕石衝突は頻繁に起こっており、その影響を考えることは必要なことです。

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